PATEK PHILIPPE CALATRAVA 3796G

PATEK PHILIPPE CALATRAVA 3796G パテック フィリプ カラトラバ Ref.3796G パテック フィリップ カラトラバ 3796G  PATEK PHILIPPE CALATRAVA 3796G

1982年〜2000年まで製造されたカラトラバ 3796。

スモールセコンドにドーフィンハンドの短針と長針、幅広なフラットベゼル、ケースと一体化したラグ、多面カットされたインデックスはシンプルながらバランスが整っています。

またカラトラバはインデックスや針が立体的になっているため、高い視認性が確保されているのも特徴です。シンプルなデザインを極めると見やすい時計になるのか、見やすい時計を突き詰めて考えるとシンプルなデザインになるのか。

パテック フィリップ カラトラバ 3796G  PATEK PHILIPPE CALATRAVA 3796G

ロレックスのサブマリーナーなどもそうですが、初めから完成しているデザインは変えるところが無い、もしくは大きく変える必要が無いんですね。家具なんかは特にですが、時代を超えて使われるモノって機能的な部分はアップデートされていきますが、根本となるデザインは大きく変わらないものも多いような気がします。

「Back to Basics」直訳すると「基本に戻る、帰る」ですが、その言葉がぴったりなパテック フィリップのカラトラバ。まさに時計というものが一般的に広まった16世紀頃に生まれた懐中時計から始まる、時計の原点回帰なデザインですよね。

カラトラバの原型と呼ばれるRef.96は1932年の誕生で、その頃の美術や建築に多くの影響を受けていたとされています。

Ref.96 カラトラバについての話によく引き合いに出されるのが、ドイツのバウハウス。バウハウスはアートと建築に関する教育機関で数多く著名な講師陣がいた事で有名ですよね。

1932年と言えば、バルセロナチェアで馴染みのある建築家「ミース ファン デル ローエ」が校長を務めていた頃です。なぜバウハウスが出てくるの?と思いますよね。これは1920年代〜1930年代にかけて流行したアール・デコ(Art Déco)が関係しているから。

アール・デコの起源は、現代のモダンデザインの基礎を築いたとされる「バウハウス運動」にあるとされているためなんです。

アール・デコ(Art Déco) ...

この年代に生まれた、デザインに関係するあらゆるもの、建築や家具はもちろんファッションやアート、グラフィックデザインなど多くのものが影響を受けています。アール・デコの特徴は、単純化された直線的・幾何学的なデザインで、正方形・三角形などを繰り返すパターンが多用されました。

バウハウス運動 ...

1919年に生まれた、ドイツ・ワイマールの美術学校と工芸学校を統合した、総合芸術学校のような教育機関。その存在は教育機関にとどまらず、現代デザインの基礎を築いた、先進的な「総合芸術運動」と捉えることができる。初代校長は建築家のワルター・グロピウス。その基本理念は、産業と芸術の統合を目指す「産業芸術」。またグロピウスは、建築を生活の器として捉え、建築がベースとなって、インテリア・デザイン、グラフィック・デザイン、プロダクト・デザインが生み出されるという発想を持っていた。教育機関であったバウハウスからは、この理念に沿って、カンディンスキー、ミース、リートフェルト、ブロイヤーなど、多岐にわたる分野で優れた人材や作品が輩出された。33年、ナチス・ドイツによって弾圧、閉校。各地に飛散した教員、学生により、教育運動、造形運動、工房活動は全世界に波及する。

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について

 

アール・デコの特徴である直線的、幾何学的なデザインはまさにパテック フィリップのカラトラバ Ref.96なんかがピッタリと当てはまりますね。このようなことからバウハウス(アール・デコ)の影響を大きく受けていると言われていると思うんです。

 

このRef.96の基本的なデザインを引き継いだのが、今回ご紹介しているRef.3796。ケースの大きさは同じでムーブメントがアップデートされました。Cal.215 PSというハイビート(28,800振動)ムーブメントで次の世代にあたるカラトラバ 5196にも搭載されています。

Ref.5196はケースサイズが30.5mm(31mm)ではなく37mmにサイズアップしていますので、ヴィンテージ感のある小ぶりなサイズをお探しの場合は3796が良いかなと思います。

3796は「3796G」と表記されるWGのほか、「3796J」のYG(イエローゴールド)と「3796R」RG(ローズゴールド)、「3796P」のPT(プラチナ)の合計で4種類のケース素材が存在し、インデックスにダイアやルビーをあしらった文字盤のものもあります。

それではカラトラバ 3796Gを写真で見ていきましょう。

パテック フィリップ カラトラバ 3796G  PATEK PHILIPPE CALATRAVA 3796G
パテック フィリップ カラトラバ 3796G  PATEK PHILIPPE CALATRAVA 3796G
パテック フィリップ カラトラバ 3796G  PATEK PHILIPPE CALATRAVA 3796G

どの角度から見ても針とインデックスが立体的になっているので見やすいですよね。フラットな幅広ベゼルも太すぎず、細すぎずのちょうど良い太さ。

パテック フィリップ カラトラバ 3796G  PATEK PHILIPPE CALATRAVA 3796G
パテック フィリップ カラトラバ 3796G  PATEK PHILIPPE CALATRAVA 3796G

横から見るとフラットになったベゼルやラグの湾曲具合が分かりやすいですね。ラグは真っ直ぐではなく、なだらかな曲線なんです。

ケースとラグが一体成形されているのが分かります?これのケースのおかげでラグ部分がポキっと折れる、なんていうことも無いんです。ドレス時計って繊細なので丁寧に扱うのはもちろんなんですが、それでも偶発的にラグ部分に力が加わってしまうっていうこともあると思いますが、折れる心配が無いっていうのは大きいです。

パテック フィリップ カラトラバ 3796G  PATEK PHILIPPE CALATRAVA 3796G
この30mmケースにバランス良く凝縮されたデザインが本当に良いんです。これ以上何もいらない、完成されたデザイン。
パテック フィリップ カラトラバ 3796G  PATEK PHILIPPE CALATRAVA 3796G
針やインデックスが平面ではなく多面になっているから見やすい。機能と美しさが両立されてます。
モデルの腕周りは16.5cm。収まりが良いっていうのはこういう事を言うんですね。ビッグサイズが多い今、あえてこのサイズ感でいくっていうのもアリ。サイズやデザイン含めヴィンテージ感はありつつ、ケースやムーブメントは現代的にアップデートされたモデルってかなり良くありません?
着用して横から見ると、また違った印象になります。ラグがシェイプしていることもあって着け心地はかなり良いんです。小ぶりなサイズ+軽いので長時間着けてても疲れないのもポイント高いです。
ラグ部分を良く見ると分かりやすいですが、磨きの仕上げが違うんです。上部分はミラー(鏡面)仕上げ、下部分はサテン(筋目)の仕上げになっています。この仕上げを変えることで光が当たった時の光り方なんかも変わります。


パテック フィリップは雑誌の広告によく親子で写っているものがあるんですが、これは世代を超えて使ってもらうこと、また次の世代に渡すことをブランド側も押しているっていうことですよね。このカラトラバ 3796なんかはシンプルな手巻きということもあって、まさにぴったりな時計。
究極にシンプルで、長い間、大げさに言うと一生使っていける時計。そんな時計じゃないでしょうか。

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